子どもの左利き矯正はやめよう。『左ききでいこう!」を読んだ感想

わが家の長女は、家族の中でたったひとり左利きです。

左利きの人は全体のおよそ10%前後と言われています。

この割合って、むかしから変わっていないんだそうですよ。

またなぜ左利きになるのかはいろいろな説があり、その原因もはっきり分かっていません。

さてその左利き、はたして矯正は必要なんでしょうか。

個人的には矯正すべきではないという意見です。

1冊の本を読んで、その思いは確信に変わりました。

今回紹介する『左ききでいこう!』は、大手通信販売の株式会社フェリシモが企業活動の一環としておこなう「左きき友の会」が出版したもの。

専用グッズなどの開発や「左ききカタログ」などのプロジェクトを通じて、左利きの生活がもっと豊かになるよう考えられた、さまざまなアイデアが詰まった1冊です。

左利き矯正をすべきでないのはなぜか。

わが家の長女の実例やわたし自身の考えを交えながら、結論に至ったプロセスを紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

左利きのデメリット

まだ小学校に上がる前の長女ですが、ふだんの生活のなかでも左利きが不自由を感じさせる場面にたくさん出会います。

ちょっと意識して見るだけでも、出てくるわ出てくるわ。

わたしの両親・兄弟とも右利きばかりでしたので、初めて気づかされることもよくありました。

ほんの一部ですが、実例をあげてみますね。

ねじ回し

長女の姿を見て、初めて不便さを感じたのがコレでした。

ドライバーを使う時、ネジをしめるのは右回しです。

このとき右手でネジをしめるのはまったく問題ないのですが、左手でドライバーを回そうとすると、手首のつくりから180度くらいしか回せないのです。

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おとん

すごくぎこちないねんなぁ。

「じゃあ反対に、ネジをゆるめる時は左手のほうが有利なんでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はネジってしめる時のほうが圧倒的に力を必要とするんです。

分かりやすいのが、木に穴を開けながらねじ込むタイプですね。

だから最近はやりのDIYも、左利きの人は圧倒的に苦手なんではないでしょうか。

刃物

長女用に、いちばん最初に買った左利き用アイテムがはさみです。

昔はいざしらず今ではホームセンターや文房具店でも、必ずといっていいほど左利き用のはさみが置いてあります。

ただ私が買ったはさみは、右利き用は青とピンクで色が選べたのですが、左利き用は黄色の一択のみ。

まだまだ左右平等とは言えません。

あと刃物といえば、包丁も左利き泣かせです。

なぜ左利きだと通常の包丁が使えないのか。

実は包丁の刃って片側にだけ斜めに角度がついているんで、通常のものは左手だと刃が立たずに切れないしくみになっているんです。

キッチンでお手伝いさせるには、包丁も左利き用が必要ですね。

キッチンまわり

台所でお手伝いさせたときに、初めて使えないと分かったのがすりばちです。

すりこぎを右手で持って、時計回りに回しやすいような形に溝が掘ってあるんですね。

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おとん

ぜんぜん気づいてへんかったわ!

探してみたんですが、左利き用のものはほとんど市販されていませんでした。

同じようにキッチンまわりで左利きが困るものといえば、ほかにレードル(おたま)やきゅうすなども有名ですが、実はやかんもなんですよ。

注ぎ口が少しだけかたむいていて、右手でそそぎやすいようになっているんです。

知らなかった人は確認してみてくださいね。

そのほか困るケース

わが家の長女も幼稚園を卒園して学校に通うようになり、やがて成人して社会に出るようになれば、左利きでは困ることがまちがいなく増えていきます。

左利きで困るケース

・習字は小学校から始まる授業で、左利き泣かせの代名詞。
・リコーダーは使う手が決まっているので、きっと苦労する。
・扇子はあおいでいるうちに閉じてきます。
・ビデオカメラでの録画は、持っている手がつりそうに。
・結婚指輪をはめれば利き手のため、ことあるごとにカチンカチンと音を立てるので、それもう不快なことまちがいなし。

ざっと想像するだけでも、これくらいはカンタンに思いつきます。

ただこれまで苦労していたものが、時代の進化にともなって解消されつつあるものもあるんです。

左利きの困りごとが解消されつつあるケース

・カメラのシャッターはスマホでの撮影がメインに。
・自動改札機もICカードが広がり、ずいぶん使いやすくなりました。
・缶切りもプルトップ型が主流になって、苦労は激減。
・先に紹介したねじ回しだって、電動ドライバーならへっちゃら。

技術の進化って素晴らしい!

こんなふうに左利きの人にとってストレスフリーな社会に、ドンドンなっていってほしいものですね。

左利きのメリット

逆に「左利きでよかったのかなぁ」と思わされる場面も少なからずあります。

わたしの気づいたものをあげてみますね。

ビンのふた

男性がカッコいいところを見せる絶好のチャンス。

ふたの回転方向が反時計回りになるため、手首のつくりを考えるとねじ回しの時とは反対で、左手がもっとも効果的に力の入る計算になるんです。

しかも左手で開けた場合は、回転方向に親指を押し出すような形になり、親指がひっかかってさらに力が入りやすくなるんです!

力の弱い女性であっても、固いビンのふたを開けるのは得意という人が多いかもしれませんね。

窓の施錠

ものすごくニッチなメリットですが。

二枚戸になっている窓のアルミサッシのロックは、その構造上、手前の窓の左側につけざるを得ません。

クレセント錠と呼ばれる鍵のレバーを回転させたり、シリンダー錠で鍵をかけるときは、そのまま右手で操作するにはやりづらいつくりになっているのです。

左手で操作するのはとてもスムーズなんで、右利きの人でもごく自然に左手でやっていたりしますもんね。

個性

左ききは右きき社会で生きているからこそ、右ききでは決して経験できない行動や思考様式を獲得し、左きき特有の個性や才能を発揮していると考えてみましょう。

本文28ページより

左利きは人口比からみると、とても割合が低いんでしたね。

そうすると野球やボクシング、テニスなどの対人スポーツにおいては、右利きの選手が左利きの選手と対戦する機会は圧倒的に少なくなります。

左利きの選手に慣れることができず、なかなか攻略できないんです。

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おとん

フェンシングなんて、わざと左利きにするねんて!?

それが有利にはたらいて、左利きの選手がトップアスリートとして活躍することも多いんですね。

また割合が少ないという視点で見れば、左利きはレアな存在。

そういう意味では目立ちますし、憧れの対象や人気者になる可能性も高いでしょう。

実際に長女も左利きというのが分かると、お友だちの親御さんに反応していただくことが多いです。

右利き社会の日本ならでは、といったところでしょうか。

左利き矯正するメリット

では、実際に左利きを矯正する必要はあるのでしょうか。

これまで見てきた以外にも、とくに日本の社会は右利きに使い勝手がいいように作られているものが多いです。

その不便さを感じずに生きていけるようになるのは、たしかに大きなメリットであることにまちがいはありません。

左利き矯正するデメリット

左ききの子どもに対して無理に右手を使わせようとすると、さまざまな弊害が起こることが考えられます。心配すべきはむしろこちらです。

本文62ページより

左利きを矯正するメリットより、デメリットのほうが圧倒的に多いです。

当たり前ですが右利きに矯正したとしても、なんでも左利きの時のようにうまくできるとは限らないでしょう。

利き手を変えようとしてもカンタンにはいきませんから、慣れない右手用の道具で事故につながることもあります。

それを努力不足だと感じて、自己否定に走ってしまうおそれがあるんですよね。

さらにうまくできない自分に対して両親や先生が矯正を押しつけてきた場合、本人にとってガマンしきれない負担となって、どんどんストレスがたまっていきます。

それが原因で、吃音や夜尿症などの症状としてあらわれることもあるそうです。

最悪の場合は強い神経症に発展したり、人間不信になってしまう場合も考えられます。

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おとん

そんなんゼッタイに避けるべきや!

いずれにしても必ずそうなるというものではありませんが、その弊害を一生引きずって暮らしていくことにでもなれば、あまりにも大きい犠牲を払うことになりかねません。

左利きは矯正すべきか

左ききだって、本人が不便を感じたときに親が一緒に考えればいいのです。どちらの手をきき手として使うかは、実際に使う子ども自身が最終的に決めればいいのですから。

本文59ページより

結論としては、無理な矯正はしないのが一番と考えます。

個人的には「両手を使い分けることができればいいな」くらいは想像したりもしますが、やはりそのまま自然に育てる方針でいます。

「大きくなった時に不便だと困るから」などといって、子どもの使いやすいほうの手を無理に変えることは、親の自己中心的な考えかたです。

矯正することで両利きになれば、両方の手を使うことで左右の脳を刺激することになり、天才の子どもに育つなんて言われた時代もありました。

ただこれには科学的根拠はなく、なかには左右の脳をうまく使い分けることができずに、不器用な両利きとなって苦労されている人もいるそうです。

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おとん

それでは意味あらへんがな。

これからの時代に求められるのは個人内のダイバーシティ、すなわち多様性です。

ありのままの自分で生きることが当たり前の時代です。

そんな現代で「左利きは行儀が悪い」「親のしつけがなっていない」「団体行動の中で、ひとりだけ和を乱す左利きは恥ずかしい」なんて考え方は、時代遅れもはなはだしいと言えるでしょう。

あくまで本人の個性として、きちんと受け入れてあげるべきです。

それでももし必要を感じて矯正をするのであれば、子どもが楽しくできる年齢までに始めましょう。

ひとつの目安としてですが、3歳から4歳くらいまでがタイミングなのではないでしょうか。

それを過ぎると左利きに慣れてしまっていて、シフトチェンジするのが苦痛になってしまうものが多いからです。

わが家の長女はすでに5歳になっていて、矯正するには少し遅いと思っています。

もっとも本人が成長したあと自分から右利きにしたいと言い出せば、私も積極的に応援するつもりでいます。

でもそれよりもっと大切なのは、左利きのままでも不自由なく、元気に明るく生きていける環境を作ることですよね。

そんな社会をめざす一員になれたら、と考えています。

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おとん

最後まで読んでもろて、ホンマおおきにやで!

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