日本人の性格は作られている!?『空気を読む脳』で語られる衝撃の事実!

この本の評価
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話題性
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値段
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総合評価
(3.5)

日本って、とても個性的な文化の国ですよね。

それは住んでいる日本人が、目立つ国民性をそなえているからです。

そんな日本人ならではの特徴に、脳科学者でもある中野信子さんがアプローチしたのが今回の1冊。

「はじめに」で、中野さんも書いていらっしゃいます。

本書では、日本の心性について、脳科学を中心とした科学的なエビデンスをもとに論じていきます。

本文5ページより

果たしてどんな内容が論じられているのか。

本書は4章からできていて、各章ごとでわたしがいちばん興味深いと感じた内容にしぼってご紹介していきますね。

『空気を読む脳』で論じられている日本人の特徴

・第1章:ふだんおとなしいけど怒ると怖い日本人
・第2章:ルールから外れるのを許せない日本人
・第3章:ほめるのがヘタな日本人
・第4章:長生きする日本人

どれもが「これぞ日本人!」って思う特徴ばかりですよね。

日本人の性格ってどうやって作られてるの?」って興味を持った方は、まずはこの記事をじっくり読んでみてください!

ふだんおとないしいけど怒ると怖い日本人

ようするに、世界でも、最も実直で真面目で自己犠牲をいとわない人々ではありますが、いったん怒らせると何をするかわからなくなるということです。

本文20ページより

海外から見た日本人の、典型的なパターンのひとつじゃないでしょうか。

これは脳が、あるホルモンの影響を受けているからだそうです。

それが神経伝達物質のセロトニン。

そして日本人はセロトニントランスポーターと呼ばれる、脳にあるセロトニンの量を調節しているたんぱく質が、世界でもっとも少ない国民なんですって!

このセロトニントランスポーターが低い人ほど、ルールに従わない相手はこらしめたいという気持ちがはたらくそうなんです。

おとん
おとん

自分が損をしてでも……やって。

本書でも取り上げられていますが、そう考えると納得のいく国内のできごとも多いんですよね。

たとえばサッカーW杯ロシア大会です。

わざと引き分けることで決勝トーナメントまで勝ち進みましたが、この戦術には賛否両論が巻き起こりました。

参考 【サッカーW杯】日本、ポーランドに敗北も警告数の差で決勝T進出BBC NEWS Japan

また最近で言えば、東出昌大氏の不倫騒動などもそう。

大きくバッシングを受けるのはなぜか、説明がつきます。

こういった典型的な日本人の特徴が、ホルモンの影響によるものだと科学的に証明できるというのはたいへんおもしろいですね。

ルールから外れるのを許せない日本人

オキシトシンの濃度が高いとき、私たちの心理には興味深い現象が起こります。「外集団バイアス」と「社会的排除」です。

本文109ページより

ここに出てくる「外集団バイアス」とは、自分たちのグループには含まれない存在を色メガネで見ちゃうこと。

もうひとつの「社会的排除」とは、同じグループにいながら自分たちとはちがう考えを認めることができずに、仲間はずれにすることです。

おとん
おとん

ルールを破るイレギュラーな存在は認めへんのやね。

ヘイトスピーチと呼ばれる差別表現や、クソリプやバッシング行為などは、SNSなんかでわたしもよく目にします。

でも中野さんは夫婦で束縛しあったり、言うことを聞かない子どもを親がコントロールするといった、家族に発生する問題も似たもの同士と指摘しているんです。

なぜってその原因は、ぜんぶオキシトシンと呼ばれるホルモンだから。

オキシトシンには、人と人との絆を強めるはたらきがあります。

でもたくさん増えると反応しすぎて、悪い方向に進んでしまうんですね。

どういうことかと言うと、さきほどのW杯や不倫問題のようなルールを破る反社会的な人たちを、このホルモンは絶対に許そうとしなくなるんです。

「幸せホルモン」なんて呼ばれとるのに……。

愛と憎しみは紙一重なんですね。

しかもこのはたらきによって非難をくり返す人たちに共通するのは、どんなひどい言動でも自分側に正義があるとしか感じないこと。

まっとうな理由を基準に「悪いことをした人におしおきしなきゃ」と行動してているだけなので……やっかいなんですね。

子どもたちがワガママし放題の様子を見て、わたしもたまにイラっとすることが実際にあります。

そして命令口調で、ムリヤリ言うことを聞かせようとしてました。

お前たちのことを思ってこそやで!

そんな風に考えてたんです。

でもまさか、それもホルモンの影響を受けてたなんて……驚きです。

ほめるのがヘタな日本人

褒め方には注意が必要で、その子のもともとの性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出す、と研究チームは位置づけています。

本文134ページより

個人的にも、日本人は「ほめるのがヘタ」と感じる場面によく出くわします。

でもそれが悪い意味で、日本人の性格に影響しているとなったら考えものですよね。

実は子どもに対して、単に「頭がいいね」とほめ続けるだけでは、次のようなたくさんのデメリットが生まれるという実験結果があるんです。

「頭がいいね」とだけほめることによる実験結果

・「頭がいい」から、と必要な努力をしなくなる。
・「頭がいい」と周囲に思わせ続けるため、平気でウソをつく。
・「頭がいい」という評価を失いたくないので、失敗をおそれる。
・「頭がいい」はずなのに、とできない問題に対してやる気を失いやすい。

なにかを想像しませんか?

日本人のエリートたちが起こす捏造や改ざん騒動、記録の紛失や記憶違い。

最近多いのはひょっとしたら……って思っちゃいますよね。

やはり子どもたちの才能を伸ばすためには、物事に向き合う姿勢そのものを認めてあげることが必要なんです。

ちなみにこの指摘にあたる第3章、本書の「おわりに」を読むかぎり、中野さんのいちばん訴えたかった内容ではないかと個人的に思っています。

長生きする日本人

長寿者には共通する「性格」が見つかりました。良心的で、慎重であり、注意深く、調子に乗らない。いわば真面目で悲観的な性格を持っていることが、長寿との相関が高かったのです。

本文191ページより

ながらく日本は長寿の国と呼ばれてきました。

その理由としては、次のようなものが考えられます。

日本人の長寿の理由

・和食という独特の食文化
・レベルの高い医療技術
・入浴などの生活習慣
・医療保険制度の充実

しかしもっと奥深いところに、長生きの秘密が隠されていたのです。

そもそもこれまで人類が生き残るには、より多くの個体を残すことが必要でした。

そのためには子どもを育てる役割の母親、つまり女性は危険を正確に見極めて回避しなくちゃいけません。

つまり不安を感じやすく、慎重な性格になることを求められてきたんです。

さきほども出てきたセロトニンは、足りなくなると不安感が強くなります。

だから疲労やイライラ感、ストレスや睡眠障害、加えてうつ症状の原因にもなることはよく知られていますよね。

そして実際の検査で、セロトニンを作る能力は男性に比べて女性のほうが低いこともわかっています。

おとん
おとん

そんなふうに身体ができとるんやな。

さらにセロトニントランスポーターの少ないことは、日本人の脳の特徴でした。

ということはセロトニンの影響を受けて、このように考えられませんか。

「良心的な性格」でおだやかに暮らし、「慎重で注意深い」性格で将来起こりうる危険を予測して、「調子に乗らない」ことでじょうずに回避する。

これまでに日本人は、こういった進化をたどってきたんだと。

中野さんがおっしゃる通り、日本人は「真面目で悲観的な性格」だからこそ、長く生き残ることができていると言ってもよさそうですね。

『空気を読む脳』を読んだまとめ

今回は『空気を読む脳』を読んで、日本人の特徴がどのような脳科学にもとづいて論じられているのか、章ごとにポイントをしぼってご紹介しました。

本書ではそのほかにもギャンブルやジェンダー、インポスター症候群などのさまざまな問題についても触れています。

どれもがおもしろい内容ですし、日本人のいいところと悪いところを知ることで大きなメリットもあります。

それはいかに日本人が、不安をプラスの力に変えてきたかを学べるということ。

この記事で『空気を読む脳』に興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください!

おとん
おとん

最後まで読んでもろてホンマおおきにやで!
Twitterでも読書についてつぶやいてるんで、おとん(@oton0834)のフォローよろしゅうに!

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